秋の夜長に、猫と飼い主の絆がテーマの小説を読む『旅猫リポート』【読書屋!】
今週のお題「読書の秋」
どうも、ケスイケリーガです。
突然ですが、猫って好きですか?
猫好きにはたまらない!そんな小説を紹介します
有川浩『旅猫リポート』です!
猫好きにはたまらないロード小説!
私自身は猫をめっちゃ好きー!って感じではなく、子猫とか見るとかわいいなーと思う程度ですが、この小説を読んで、猫と暮らしたいー!って思ってしまいました。
私ですらこう思うのだから、猫好きの人にはもうたまらないことは間違いなしです
猫嫌いの人も、猫っていいな!って思えるはずです
有川ファンの中でも今回紹介している有川浩『旅猫リポート』が特に好きって人もたくさんいるほど人気の作品でしょう
飼い主と猫が車に乗ってある目的のために旅に出ます。進めば進むほど猫と飼い主の絆が伝わってきて小説の中の世界にどんどん吸い込まれてしまいます
ざっくりあらすじと感想
主人公はサトルとナナという猫。
ナナは元々、野良猫だったけれどサトルの車のボンネットがお気に入りの場所でお互い顔見知りになっていった
ある日、ナナが車にはねられて怪我をしてしまった時にサトルが助けたことをきっかけに一緒に暮らすことになる。
サトルは筋金入りの猫好き。
猫の気持ちがすごくわかる奴で、猫からしてもサトルはすごく信用のおけるタイプの人間。
サトルは5年間一緒に暮らしたナナをある事情で誰かに引き取ってもらわなくてはならなくなる。
愛猫を預けるんだから絶対に妥協できないとサトルの昔の友達を訪ねていく。
サトルの車に乗ってサトルの友達たちに会いに行く旅路がストーリーとなっている。
サトルとナナのお互いを思う気持ちがいっぱいに描かれ、サトルが昔の友達に出会い昔話をするにつれてサトルの辛い過去と友達がいたことで幸せに満たされていた過去。
そんな過去を明らかにしながら、サトルとナナは未来へ進んでいく。
サトルはナナを大切にしてくれる新しい飼い主を見つけるために、ナナはサトルと一緒にまだ見たこともない世界を見るために。
サトルが行く先々の友達はみんな良い人たちで、サトルがナナを預けなければならない理由を聞こうとはしなかった。
会いに行く友達みんながサトルのことが大好きだから、みんな理由を聞かずにナナを預けてもいいよと言ってくれる。
サトルはナナのために妥協はできないから、断り続けてしまう。
サトルがナナを預けなくてはならない理由は明かされないが、ナナを預けても良いという友人たちの好意を受けないのはなぜだろうと読者は読み進めながら考えることになる。
明かされない理由はナナだけが知っていた。
最終的に、サトルを育ててくれた叔母さんのところにナナは落ち着くわけだけれども、そこからがもう涙なしには読めません!!
この小説の素敵なところは、ナナを思うサトルとサトルを思うナナの関係性
その関係性はサトルの視点から小説が描かれるだけではここまで表現できず、ナナの視点から小説が描かれることで、ナナに対する親近感、ナナからサトルへの忠誠心や愛情というものがひしひしと感じるように描かれる
そのお互いを思う気持ちが小説全体のムードをやわらかでいとおしいものにしており、読後の心温まる感は抜きんでている
"僕のリポートはもうすぐ終わる。それは決して悲しいことじゃない。僕らは旅の思い出を数えながら、次の旅へと向かうんだ。先に行ったひとを思いながら。後から来るひとを思いながら。そうして僕らはいつかまた、愛しいすべてのひとびとと、地平線の向こうで出会うだろう。"
猫が語る飼い主との絆を描いた小説です。秋の夜長にオススメできます。
ぜひ、読んでみてください。グッバイ!
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