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干物女子のほのぼの日常小説集!干物女子たちの不器用さにクスッとくる『びんぼう草』【読書屋!】

どうも、ケスイケリーガです。

ほっこり和やか〜な気分になりたい時にオススメの群ようこ『びんぼう草』の紹介です!

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 干物女子のほのぼの日常小説集

干物女子だなんてちょっと良くない表現かもしれませんが、世の中にいるジョシジョシ、キャピキャピ、ピンクフリフリの正反対を示すいい言葉が思いつかなかったのですが、要はそういう女性が主人公の小説が7編収められています

 

7編の小説どれもが好き嫌いが明確で思ったことをはっきり態度に出してしまう、悪い奴じゃないけれど不器用な女性が主人公。

何がいいって、こういう人、自分の周りにもいるっー!って女性が主人公なものだから、妙に親近感が湧くし、自分の知り合いと主人公が重なっちゃう場面もありました

 

日々の生活の中にあった出来事を主人公の視点から描写している

 

生活の中の出来事はどれも些細なことで誰にでも起こり得そうなことを取り上げているため、小説の全体の雰囲気がとてもほのぼのとしています

 

一方、主人公の視点はなかなか痛烈な部分もあって、そこがスパイスになって、飽きのこない物語になっています

 

ケスイケリーガのお気に入りは「シジミの寝床」

この小説に収められているのは以下の7編

  1. 満員電車に乗る日
  2. シジミの寝床
  3. 胡桃のお尻
  4. 友達の子供
  5. 爪をみがく女
  6. ぶー
  7. おかめ日記

私は特に「シジミの寝床」がとっても気に入った。

 

ざっくりなあらすじはこんな感じ

フリーライターの仕事をする独身女性のひい子が実家に帰省すると、夕食の準備をしていた母親に「裏の川でシジミを取ってくる」ように言われる。

 

大量のシジミを取って帰ったひい子は夕食で使わない分のシジミを自分の家へ持って帰ることになる。砂抜きのため、一晩寝かしておくと、シジミから管が伸びたり空気の泡を出したりした。

 

それを見ていたひい子はシジミをえらく気に入る

 

わざわざ水槽や砂利を買ってきてシジミを飼い始める。シジミを観察することに没頭するほどシジミとの同居が楽しくなっていく

 

シジミと同居する中で、シジミは敵が来ても逃げることはできないが、身を守るために固い殻を持っているんだと考え始め、「私もシジミになりたい」とつぶやく。

 

 

シジミの飼育をテーマに取り上げるセンスもさることながら、シジミの観察ポイントがとっても独特で読んでいて飽きがこない

 

シジミという貝を用いて自身の境遇と照らし合わせて「私もシジミになりたい」と一人つぶやく女性を想像すると、どうにもクスッときてしまう

 

こういうクスッとくる主人公の言動がどの小説にも散りばめられていて、とっても読んでて心地よい小説です

とってもオススメですよ、それではグッバイ!

 

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