女性の立場から描かれるダメな男たちにクスッと笑う『おとこのるつぼ』【読書屋!】
どうも、ケスイケリーガです
群ようこ『おとこのるつぼ』の紹介です!
ダメな男たちがたくさん出てきてクスクス笑っちゃうエッセイ集です
ダメな男を集めた24編のエッセイ集
『おとこのるつぼ』とはまたハイセンスなタイトルです
「るつぼ」とはありとあらゆる雑多なものをひとまとめにしたものを表現するときによく使いますね。アメリカ合衆国のことを「人種のるつぼ」って言うこともあります
まさにタイトル通りのエッセイ集になっています
24編のエッセイにはどれも女性目線から見たイケてない男性の様が描かれます
どの話に出てくる男性も特別な人ではなくて、日常の生活のなかでどこにでもいる男性にフォーカスされているので、筆者の考えに共感して読んでいけます
嫌味さは全くない気持ちいいエッセイ
ダメな男とかイケてない男とか書きましたが、読んでて嫌な気持ちになる類のものではありません
というのも、筆者自身を卑下するような表現がところどころに入り、「〇〇な男って△△だよね、でも、そういう私は◇◇だけど」みたいな自分を下げた立場から観察してる姿勢が一貫しています
こういう男性はダメだと提示するわけでもなく、男性の身体的特徴や仕事関係、女性関係について気づいた箇所について筆者の意見が述べられるわけです
なので、女性の立場から一歩引いて男性の言動をみると、こう見えてるんだなと気づきを得るには最適な本ですね
もし僕自身がこのエッセイに登場する男性の特徴にあてはまっていたらドキッとしちゃいますけど(笑)
特に共感度が高かったのは…
『崩れてきたTPO』というエッセイだ
夏の暑い日に街中を歩く老人と中年男性の身だしなみの違いについて書かれている
筆者によると、老人も中年男性も家の中ではとにかく楽で涼しい格好をするが、一歩家を出たときに違いが現れる
老人はどんなに暑くてもきちっとした格好に着替え身だしなみを整えた上で外出するが、中年男性は家のままの格好や外を出歩くにふさわしくない格好で外出する
中年男性のTPOの無さについてうんざり色々述べているわけだ。
これはうちの家族を想像すると確かに!と叫ばざるを得ない
じーちゃんばーちゃんはお出かけ用の服装があって、それを着て外出する。
一方、両親は適当だ。もちろん、旅行レベルの外出であれば別だが、近所のスーパーやらコンビニやらへは適当な格好でいく
両親の気持ちも非常によくわかるが、本書にあてはめると、うちの両親もTPOを崩す一端を担っているかもしれない
エッセイとしてはとても楽しく読めました
オススメですよ、それでは、グッバイ!
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